Created: 2022/07/11
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館内の展示の様子はこんな感じです。
今回の展示では、この機会に全国水平社宣言を読んでいただきたく、全文を展示しています。
全国水平社とは、大正デモクラシー期の日本において、西光万吉らを中心に被差別部落の地位向上と人間の尊厳の確立を目的として創立された部落解放運動団体です。現在は、全国水平社の後身といえる様々な団体が活動しています。
歴史的・社会的に形成された穢多・非人などの被差別民や、被差別部落に居住する人々あるいは過去に居住していた人々は、不当に様々な差別を受けてきました。
明治維新後、解放令により、形の上では封建的な身分関係から解放されたものの、実際には様々な差別が残り、そのために劣悪な環境に置かれ、貧困の状況下にあり、部落の経済的向上、また部落民の意識を高め部落外の人々の理解を求めることで差別を無くすことを目指す融和運動が提唱されました。
しかし、従来の融和運動に飽き足らない西光万吉、阪本清一郎、駒井喜作ら部落の青年たちは、自分たちの力で部落の解放を勝ち取る運動を構想し始め、ロシア革命や米騒動の影響を受け、また、ピューリタン革命の最左派であった水平派(レヴェラーズ)にちなんで新たな運動団体を「水平社」と命名し、1922年(大正11年)1月、パンフレット「よき日のために」を発刊して創立大会への結集を呼びかけました。
創立大会では、前述の全国水平社宣言の採択とともに、「人間を差別する言動はいっさい許さない」と決議されました。
しかし、残念ながら現在においても、部落差別以外にも様々な差別が存在しています。
今回は総合文化学科の河島先生にも選書にご協力をいただき、部落差別関連の本を中心に、様々な差別に関する本を集めました。
最近よく耳にする、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の17の目標とも深く関わっていますので、関心がある方も多いのではないでしょうか。
展示している本のリストはこちらです。本リスト.pdf
展示している本の中の1冊、島崎藤村の『破戒』は60年ぶりに映画化され、今月から全国で上映されるようです。
最後に、関連するリンクを紹介します。
・全国水平社創立100周年記念特設ページ (sakura.ne.jp) 全国水平社創立100周年記念事業実行委員会
・SDGsとは? | JAPAN SDGs Action Platform | 外務省 (mofa.go.jp)
・部落解放同盟中央本部 (bll.gr.jp)
・全国地域人権運動総連合 (sakura.ne.jp)
・公益社団法人部落問題研究所 (burakken.jp)
・全日本同和会 (zennihon-douwakai.gr.jp)
・jiyuudouwakai 自由同和会中央本部公式サイト