Created: 2020/11/04
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今月の展示テーマは心理・行動科学科よりご提案いただきました。
館内の展示の様子はこんな感じです。
さて、心理のおしごとと聞いて、どんな職業が浮かぶでしょうか?
「カウンセラー」という答えが一番多いのではないでしょうか。
本学HPにも、在学生向けにカウンセリングルームだよりが掲載されていますので、そちらを思い浮かべた方もおられるかもしれません。
幼い頃に病院で
「お腹がしくしくする」
だったか、とにかく自分で症状を医師に説明した際にこう言われたことがあります。
「君の本当の痛みは君にしかわからない。だから自分がどんな風に辛いのか、痛いのかを自分で説明するのはとても大切なことなんだよ。」
そんなこともあり、大人になって随分と経った今でも、身体的な痛みについてはそれからもできる限り正確に痛みを伝えようとすることが身についています。
しかし精神的な辛さについて、同じことができているかと問われたら、自信を持って頷くことが私にはできません。
きっと意識しているかどうかにかかわらず、同じような方は少なくないのではないでしょうか。
一方で、たまたま臨床心理士の資格を持つ方に話を聞いてもらっているうちに、
自分自身で思っていたよりも実際はずっと辛いと思っていたことに気づいたということもありました。
思いがけずプロの力によって、精神的な辛さについてはなるべく考えないようにしていた自分に気づいたのです。
それからは、ストレスを感じることがあったとしても、向き合い方が少しは変わったような気がしています。
心理のおしごとは、さまざまな領域で必要とされており、今後ますます多方面で求められるだろうと予測されます。
心理系のおしごとを目指しているという方も、
あるいは自分や家族、友人がよくお世話になっているという方もおられるかと思います。
さまざまな領域で人々をサポートしてくださっている、実は大変身近なおしごとであると言えるかもしれません。
心理に関するおしごとの中には、大学院まで修了した上で試験を受けて資格を取得した人にしか採用の門扉があけられていないものもあれば、
大学の心理学科を卒業(またはそれに相当する心理学の単位を取得)していれば採用される可能性のあるものもあるようです。
大学在学中に取得可能な資格として、日本心理学会が認定する資格である認定心理士があります。
特定の仕事と結びついた資格ではありませんが、大学4年間で心理学全般について一定の水準の知識・技能を修めたことを示すものです。
これから就職活動をされるみなさんにとっては、履歴書等への記載も可能という点で取っておかれるのも良いと思われます。
また、認定心理士の資格取得において求められる心理学の知識・技能は、心理学とは直接関係しないと思われる仕事においても役立つことと思われます。
大学院まで修了した上でないと取得できない資格としてはまず、民間資格ではありますが、文科省の管轄で作られ30年もの歴史のある「臨床心理士」が挙げられます。
「臨床心理士」は、臨床心理士養成に関する指定大学院または専門職大学院を修了した上で資格試験に合格せねば取得のできない難関資格であり、
それだけに日本における心理の専門家として証明されてきた資格であるといえるかと思います。
また、2017年度に新設された新しい心理の国家資格である「公認心理師」も、今後重要な資格となっていくことと思われます。
今回の展示は、心理に関するおしごとが「どのような場所で」行われ、
「どのような内容の」業務を行うのかがわかるようにと考えて構成しました。
また、今回は自分でそのおしごとについて調べる際のガイドになるパスファインダーを各種作成しました。
本学で取得できる心理系の資格についてのパスファインダーです。
石谷先生、若佐先生をはじめとする心理・行動科学科の先生方、
また「精神保健福祉士」に関しては心理・行動科学科の水本先生、総合文化学科の金田先生、與那嶺先生にもアドバイスをいただきつつ、
展示担当スタッフみんなで唸りながら仕上げました。みなさまの学習の参考になれば幸いです。
パスファインダーは印刷したものをお持ち帰りいただけるよう、特集コーナーにご用意していますが、こちらにPDFも載せておきますので遠方で来館が難しい方はこちらからどうぞ。
心理職の四大業務.pdf
臨床心理士.pdf
公認心理師.pdf
精神保健福祉士.pdf
社会福祉主事.pdf
また、紹介している本のリストはこちらです。→本リスト.pdf
ぜひこの機会に読んでみてくださいね。